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入れ歯が必要になるのは何歳から?入れ歯のメリット・デメリットや種類についても解説
入れ歯は年齢に関係なく、歯の状態によっては若いうちから入れ歯が必要になることもあります。
健康な歯をできるだけ長く保つことは重要ですが、場合によっては早めに入れ歯を導入することも選択肢のひとつです。
本記事では「入れ歯が必要になるのは何歳から?」について紹介します。
他にも「入れ歯が必要になる原因」や「若い時から入れ歯を入れるメリット・デメリット」についても解説していきます。
ぜひこの記事を参考にして、入れ歯について理解を深めてみてください。
入れ歯が必要になるのは何歳から?
厚生労働省のe-ヘルスネットによると、45〜54歳の平均残存歯数は27.0本であると報告されています。人間が持っている歯の数は通常28本であるため、統計から推測すると、多くの人が45歳を過ぎる頃から入れ歯が必要になる可能性が高いといえます。
具体的には、55〜64歳では平均24.5本、65〜74歳では20.8本、75歳以上になると15.7本にまで減少します。
年齢が進むにつれて残存歯の数が減少し、特に75歳以上の高齢者では、平均的に歯の半分以上が失われることになります。
しかし、あくまで平均的なデータなので、歯周病や事故などによって歯を失うケースもあるので、20代や30代の若い患者でも入れ歯が必要となる場合も十分に考えられます。
入れ歯が必要になる原因
入れ歯が必要になる原因を把握しておくことで、入れ歯を予防することにもつながります。
具体的な入れ歯が必要になる原因については、以下の4つが挙げられます。
- 歯周病
- 虫歯
- 噛み合わせが悪い
- 外的な衝撃
それぞれの原因について解説していきます。
歯周病
歯周病は、若い世代が歯を失う大きな要因の一つです。
歯周病とは、歯の表面に蓄積したプラークが歯茎に炎症を引き起こすことで発症します。
特に、症状が軽微なため自分で異常に気づくことが難しいことが特徴です。そのため、進行しても初期段階で治療を行うのが難しくなります。
さらに、侵襲性歯周炎という、若い年齢層で急速に悪化する特殊な歯周病も存在し、若年性歯周炎とも呼ばれ、早期に進行が速いため、すべての歯を失うリスクが高いです。
このように、歯周病は早期に診断と治療をおこなわないと、歯を失う可能性が高くなってしまうので注意が必要です。
虫歯
若年層にとって、歯を失う主な要因として虫歯も挙げられます。
虫歯が進行して歯の神経にまで達すると、治療を行っても歯を保存するのが難しくなり、最終的には抜歯が必要となるケースがあります。
虫歯は、神経に到達するまで痛みを感じにくいという特徴があり、気付いたときにはすでに神経に炎症が広がっていることが多く、この段階では歯を残すことが難しいケースも少なくありません。
噛み合わせが悪い
噛み合わせが悪いと、歯を失うリスクが高くなってしまいます。
実際に、噛み合わせが悪いことによって、個々の歯に過度な負担がかかりやすく、歯周病になりやすいことが原因です。
また、日々の歯磨きでも、噛み合わせが悪い状態だと、全ての歯をしっかりと磨くことが難しくなり、その結果として磨き残しが増え、病気にかかる可能性が高くなってしまいます。
さらに、一部の歯に負担がかかってしまい、ひび割れたり、折れたりする危険性も増えてしまいます。
こうした損傷が生じた場合、歯を保存できずに抜歯をせざるを得ないケースも多くみられます。
外的な衝撃
若い世代が歯を失う原因の一つとして、交通事故や転倒などによる外傷で歯が損傷することも挙げられます。
例えば、交通事故に遭ったり、転んで顔面を強打したりすることで、歯が深刻に破損することがあります。
こういった外傷では、歯だけでなく、頬や唇といった周囲の組織も傷つくことが多く、歯根や神経にまで影響を及ぼすケースも少なくありません。
もし歯が修復不可能なほどに破損したり、感染のリスクが高まったりした場合には、やむを得ず歯を抜かなければならない事例も多くみられます。
若い時から入れ歯を入れるメリット
若い時から入れ歯を入れるメリットについては、以下の3つが挙げられます。
- 入れ歯が安定しやすい
- 慣れるまでの時間が短縮できる
- ほうれい線が目立たなくなる
それぞれのメリットについて解説していきます。
入れ歯が安定しやすい
若い時から入れ歯を入れることによって、歯茎がしっかりしているので、より安定感のある装着が可能となり、その後の使用もスムーズになるメリットが挙げられます。
実際に、年齢を重ねると、肌や体力の衰えとともに、歯茎も弱くなり、ボリュームが減少してしまうのも事実です。
しかし、若い頃から歯周病が進行してしまうと、顎の骨が萎縮し、高齢になってから入れ歯を装着する際に、安定性に問題が生じる可能性が高くなってしまうので注意が必要です。
このように、歯茎がまだしっかりしているうちに入れ歯を作ることで、より安定感のある装着が可能になります。
慣れるまでの時間が短縮できる
若い頃から入れ歯の使用を始めると、適応力が高いので、慣れるまでの時間を大幅に短縮できるメリットが挙げられます。
入れ歯を装着すると、粘膜に直接触れるため、最初は口の中に違和感を覚えることがよくあります。
また、入れ歯の違和感が消えるまでには、ある程度の時間が必要なのも事実です。
このように、若い時から入れ歯を入れることによって、比較的短期間で入れ歯を自然に使いこなし、自分の歯と同じように噛んだり話したりすることができるようになることが期待できます。
ほうれい線が目立たなくなる
若い時に入れ歯を入れることによって、口内状態によって異なりますが、ほうれい線が目立たなくなるメリットがあります。
歯を失うと、口元がしぼんだように見え、それが原因で顔全体に引き締まりがない印象を与えることがあります。
しかし、適切にフィットした入れ歯を使用することで、ほうれい線が目立ちにくくなるのはもちろん、口元に再びボリュームを持たせ、全体的な顔のバランスを整えることができます。
入れ歯は単なる咀嚼機能を補うだけでなく、見た目にも良い影響を与えるので、若い時に入れ歯を入れるメリットがあるといえます。
若い時から入れ歯を入れるデメリット
若い時から入れ歯を入れるデメリットについては、以下の3つが挙げられます。
- 噛み心地が劣ってしまう
- 見た目に悪影響が出る
- お手入れに手間がかかる
それぞれのデメリットについて解説していきます。
噛み心地が劣ってしまう
入れ歯を入れるデメリットとして、噛み心地が劣ってしまうことが挙げられます。
実際に、総入れ歯の場合、口の中での安定感が不足し、強く噛むことが難しい場合があります。
その結果、食べ物の食感が変わってしまい、食事を楽しむことができなくなってしまうリスクも考えられます。
また、入れ歯が動くことによって口の中に痛みを感じたり、発音がしにくくなるリスクも挙げられます。
見た目に悪影響が出る
若い時から入れ歯を入れることによって、見た目に悪影響が出てしまうデメリットがあります。
入れ歯は、天然歯と異なり、顎の骨に直接力を伝えることができないので、顎の骨が痩せてしまうリスクがあります。
顎の骨が痩せてしまうと、見た目に大きな悪影響を与えてしまい、第一印象も大きく変わってしまいます。
また、部分入れ歯においては、金属のバネやクラスプが目立つことがあり、入れ歯を装着していることが他人にわかりやすくなる場合があります。
また、すべての歯を失った場合に使用される総入れ歯では、天然の歯と同じように自然な見た目を再現することは、一般的に難しいのも事実です。
お手入れに手間がかかる
入れ歯を入れることで、毎日のお手入れに手間がかかってしまうデメリットが挙げられます。
通常の歯磨きと合わせて、入れ歯専用のケアが必要になり、専用の洗浄剤を使って入れ歯を丁寧に清掃することが必要です。
また、就寝時には入れ歯を外し、適切な方法で保管する必要があります。
万が一、入れ歯と歯茎の隙間に食べ物が入り込んでしまうと、口内の衛生が悪化し、口臭を引き起こしてしまうので注意が必要です。
目立ちにくい入れ歯の種類
目立ちにくい入れ歯の種類については、以下の3つが挙げられます。
- テレスコープ義歯
- ノンクラスプデンチャー
- 磁性アタッチメント義歯
それぞれの種類について解説していきます。
テレスコープ義歯
テレスコープ義歯は、ドイツで120年以上の歴史を誇っており、入れ歯が二重構造になっているので、金属部分が見えにくく、他人にはほとんど気づかれにくい特徴があります。
歯磨き以外で取り外す必要がなく、そのまま寝ることも可能です。
多少不安定な歯や残っている歯が少ない場合でも、比較的しっかりと装着できるので、入れ歯によって既存の歯をより長く維持する助けにもなります。
しかし、自由診療のため費用がかかってしまうデメリットもあります。
ノンクラスプデンチャー
ノンクラスプデンチャーは、従来の金属製の留め具を使わず、弾力性のある樹脂素材で入れ歯を固定する入れ歯です。
従来の入れ歯では金属の留め具が目立つことが課題でしたが、ノンクラスプデンチャーでは歯茎に近い色の樹脂を使用するため、自然な見た目が得られます。
自由診療となりますが、さまざまなメーカーが提供しており、患者の要望に合わせて最適な選択ができるのも特徴です。
見た目の美しさだけでなく、機能面でも優れたオプションが幅広くあります。
しかし、樹脂素材は摩耗や変形がしやすいので、5〜8年程度での交換が必要になります。
磁性アタッチメント義歯
磁性アタッチメント義歯とは、残っている歯の根に装着された磁石と、入れ歯に組み込まれた磁力を活用して入れ歯を安定させる仕組みの義歯です。
外見が自然で、入れ歯がずれにくいというメリットがあります。
また、残存歯への負担が少ないので、弱っている歯にも適用しやすいのが特徴です。
しかし、磁石を使用しているため、頭部のCTやMRIなどの画像診断の際には注意が必要です。
入れ歯にならないための注意点
入れ歯にならないための注意点については、以下の3つが挙げられます。
- 正しくブラッシングする
- 食生活を見直す
- フッ素入りの歯磨きを使用する
それぞれの注意点について解説していきます。
正しくブラッシングする
入れ歯にならないための注意点については、正しい歯磨きの方法を習得し、毎日しっかりとケアを行うことが大切です。
不十分なブラッシングでは、口内に汚れが残りやすくなり、結果的に虫歯や歯周病の原因となってしまいます。
口内環境が悪化してしまうと、最悪の場合、歯を失うリスクも高まります。
自分の歯磨きに自信が持てないという方は、歯科医院で担当医からのアドバイスを受けることをおすすめします。
食生活を見直す
日常の食習慣は、口の中の健康にも大きな影響を与えるので、入れ歯にならないために、食生活を見直すことも重要です。
虫歯を予防したい場合は、糖分を多く含む食品の摂取を減らすことが重要です。
また、だらだらと長時間食べ続けると虫歯ができやすくなってしまうので、食事は適切なタイミングで決めて摂るよう心がけましょう。
フッ素入りの歯磨きを使用する
フッ素入りの歯磨きを使用することで、虫歯や歯周病の予防になるので、入れ歯になってしまうリスクを減らすことにつながります。
フッ素は、細菌の活動を抑制したり、歯を強化する効果があるとされているので、虫歯や歯周病の予防につながります。
このように、フッ素を含む歯磨き粉を使用して日常的に歯を磨くことで、病気のリスクを減らし、将来的に歯を失う可能性も低くなるといえます。
入れ歯は幅広い年代で利用されている!
今回は、入れ歯が必要になる年齢や入れ歯が必要になる原因などについて紹介しました。
歯を失う主な要因としては歯周病が挙げられ、30代以上では歯周病のリスクが高くなってしまいます。
そのため、健康な歯で長く美味しい食事を楽しむためには、定期的な歯科検診や適切な治療が必要になります。
また、入れ歯は特定の年齢に限ったものではなく、幅広い年齢層の方々に利用されています。
今回の記事を参考にして、入れ歯も治療の選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。