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インプラント治療中の歯がない期間はどうする?対応方法や注意点を解説

欠損した歯を補うための治療法として近年人気となっているインプラント治療ですが、一時的に歯がない期間が存在するのはご存知でしょうか。

また、歯がない期間はどのように過ごすのか気になる方もいるでしょう。

そこで本記事では、インプラント治療における一時的に歯がなくなる期間や、その時期にどのように補うのかを解説します。

また、歯がない期間が存在する理由や注意点についても詳しく説明していきますので、ぜひこの記事を読んでインプラント治療に対する不安を解消し、無事に治療を終えられるように対策をとっておきましょう。

インプラントの「一回法」「二回法」それぞれの流れを解説

インプラントの「一回法」「二回法」それぞれの流れを解説

はじめに、インプラントの治療の流れを説明していきますが、インプラントの術式は以下の2種類がある点を押さえておく必要があります。

  • 一回法
  • 二回法

どちらの術式で行うかは、個人の顎骨や口腔内の状態などによって変わってきます。

一回法と二回法、それぞれの方法や治療の流れについて詳しく解説していきますので、ご確認ください。

インプラント一回法とは

インプラントの一回法は、外科手術を1回のみ行う治療法です。

インプラント体を顎の骨に埋入する際に、アバットメントを歯茎の上に出した状態にしてインプラントと顎の骨と結合するのを待ちます。

そして結合を確認した後、被せ物の型取りを行って出来上がった被せ物を被せるという治療法です。

外科手術が一度で終わるため、患者の負担が少ない点がメリットとなります。

一回法の治療の流れ

インプラント一回法の治療は以下の流れで進めていきます。

  1. インプラント体の埋入
  2. インプラント体と骨の結合
  3. 被せ物の装着

詳しく見ていきましょう。

①インプラント体の埋入

歯を失った部分の歯茎に局所麻酔を打って痛みを取り除いてから歯茎を切開します。

その後、専用のドリルを用いて顎の骨に穴を開け、インプラント体を埋め込んでアバットメントを取り付けますが、このときアバットメントを歯茎の外に出しておきます。

これで外科手術が終了です。

インプラント体の埋入から骨が定着するまでの間、仮のアバットメントで対応する場合もあります。

②インプラント体と骨の結合

インプラント体と顎の骨がしっかり定着するまでの結合期間に入ります。

結合期間は骨の状態や部位によっても異なりますが、およそ3~6ヶ月程度です。

③被せ物の装着

インプラント体がしっかり定着したら、被せ物の型取りを行います。

被せ物が完成したら、アバットメントに被せ物を装着しますが、このとき仮のアバットメントを装着している場合は、最終的なアバットメントに取り替える必要があります。

そして、被せ物を装着したあと、噛み合わせを調節して、問題がなければこれで治療が終了です。

インプラント二回法とは

インプラント二回法とは、外科手術を二度分けて行う治療法です。

初めの手術でインプラント体を完全に埋め込んで縫合し、インプラント体と顎の骨が結合した後、再び歯茎を切開してアバットメントを装着し、上部構造を取り付けるという治療法になります。

二回法の流れ

インプラント二回法は以下の流れで進めていきます。

  1. インプラント体の埋入と歯茎の縫合
  2. インプラント体と骨の結合
  3. 歯茎の切開とアバットメントの装着
  4. 被せ物の装着

詳しく説明していきます。

①インプラント体の埋入と歯茎の縫合

歯を失った部分の歯茎に局所麻酔を打ってから歯茎を切開します。

その後、専用のドリルを用いて顎の骨に穴を開け、インプラント体を埋め込みますが、このときアバットメントは取り付けず、歯茎を縫合して歯茎の中でインプラント体が完全に定着するのを待ちます。

②インプラント体と骨の結合

インプラント体と顎の骨がしっかり定着するまでの結合期間に入ります。

結合期間は骨の状態や部位によって異なりますが、およそ3~6ヶ月程度です。

③歯茎の切開とアバットメントの装着

インプラント体と顎の骨がしっかり定着したのを確認したら、二次手術を行います。

局所麻酔を打ってから歯茎を切開し、インプラント体にアバットメントを連結させます。

その後、歯茎の回復を待つ期間が設けられます。

④被せ物の装着

歯茎が回復したら、被せ物の型取りを行います。

被せ物が出来上がったら、アバットメントに被せ物を取り付けていきます。

被せ物を装着後、噛み合わせを調節して、問題がなければ治療が終了です。

インプラント治療中に歯がない期間はある?

インプラント治療中に歯がない期間はある?

インプラント治療では、先述した治療の流れからもわかる通り、以下の歯がない期間が存在します。

  • インプラント体が定着するまでの期間
  • 歯茎の状態が安定し型取りをするまでの期間
  • 型取りから被せ物ができるまでの期間

このように、インプラント治療を行えばすぐに本物の歯のような被せ物を装着できるわけではないので、注意しましょう。

歯がない期間はどのくらい?

インプラント治療において、様々な理由で歯がない期間が生じますが、どのくらいの期間になるのでしょうか。

一般的な待機期間の長さは2〜6ヶ月程度です。

これは主にインプラント手術後、インプラント体が骨としっかり結合するまでの期間を指し、状態によってはそれ以上歯がない期間が続く可能性もあります。

歯がない期間が生じる理由

歯がない期間が生じる理由

なぜインプラント治療で歯がない期間が存在するのかというと、以下の3つの理由が挙げられます。

  • インプラント体と骨の結合を待つ必要がある
  • 歯茎の治癒を待つ必要がある
  • 段階的な治療が必要な場合がある

治療の成功には欠かせない項目となりますので、それぞれ詳しく見ていきましょう。

インプラント体と骨の結合を待つ必要がある

インプラント治療では、チタン製のインプラント体を顎の骨に埋入する外科手術を行います。

術後は、インプラント体と顎の骨が結合するまでに数ヶ月かかり、この期間中は骨の結合を妨げないよう、上部構造を装着するまでの待機期間となるのです。

歯茎の治癒を待つ必要がある

歯茎の治癒期間としても重要です。

インプラント体を埋め込むときに歯茎に穴を開けるため、歯茎が回復するまでの治癒期間を設けています。

また、抜歯してインプラントにする場合は、抜歯したところの骨の回復を待って手術をしなければならず、さらに抜歯したときに歯茎を切るなどして傷がつくこともあるため、その期間も歯がない状態となるでしょう。

段階的な治療が必要な場合がある

インプラント治療は、症状や口腔内の状態によって、複数回の手術が必要なケースもあります。

その際は手術の各段階の間に歯がない期間が生じることもあるのです。

歯がない期間の対応

インプラント治療中の歯がない期間は、そのまま過ごさなければならないのではなく、必要に応じて以下の対応がされます。

  • インプラント体を利用して仮歯を作成する
  • 隣接する歯を利用して仮歯を作成する
  • 仮で入れ歯を作成する

それぞれの方法について説明していきます。

インプラント体を利用して仮歯を作成する

インプラントの外科手術で埋入したインプラント体を利用し、仮歯を取り付けます。

これはごく一般的な方法で、インプラント体を利用するため、抜歯した日にそのまま取り付けることも可能です。

隣接する歯を利用して仮歯を作成する

インプラント体が骨に結合し、安定するまでの間、隣接する健康な歯に接着剤で取り付ける方法もあります。

これにより、インプラント体への負担を軽減しつつ、歯の機能や見た目を維持することが可能です。

ただし、接着剤を使って固定するため、取れやすいというデメリットもあります。

仮で入れ歯を作成する

仮歯のほかに、仮の入れ歯を使用するケースもあります。

これは主に、複数の歯を一度にインプラント治療する場合や、上下の噛み合わせを保つ必要がある場合などに、全体のバランスを保つために行われます。

ただし、通常の入れ歯とは仕組みが違うため、見た目が悪くなりやすい点がデメリットです。

歯がない期間に仮歯や入れ歯を作る理由

歯がない期間に仮歯や入れ歯を作る理由

先述した通り、インプラント治療中の歯がない期間には、仮歯や仮の入れ歯を入れて対処することが多いですが、それには以下の理由があります。

  • 審美性や発音を保つ
  • 歯並びや噛み合わせを維持する
  • 周りから治療中だと気づかれにくい
  • 傷口を保護し痛みを軽減する

歯がないという見た目の改善以外にも様々な役割があるため、詳しく見ていきましょう。

審美性や発音を保つ

歯がない期間に仮歯や仮入れ歯を使用すれば、期間中の審美性を保てます。

あくまで仮のものであるため、審美性は高くありませんが、歯がない状態とある状態では、周りの人に与える印象が大きく異なるでしょう。

また、仮歯や仮入れ歯を使用すると滑舌も維持できるため、歯がない状態と比較して発音を正常に保てるようになります。

周りから治療中だと気づかれにくい

歯科治療を行う人の中には、他の人に知られたくないと思う方もいるでしょう。

仮に、口を開けた時にアバットメントや傷口が見える状態では、周囲の人に何らかの歯科治療を行っていると気づかれやすいです。

しかし、仮歯などで隠すと、歯がないことに気づかれにくくなり、安心して過ごせるようになります。

歯並びや噛み合わせを維持する

歯がない状態が長く続くと、歯がない部分の両隣の歯が歯のない場所に傾いてきたり、噛み合っていた歯が伸びてきたりするなどして、隙間を埋めようとする場合があります。

その結果、歯並びや噛み合わせに悪影響を与えてしまう恐れがあるのです。

しかし、仮歯を入れると歯がないスペースを埋められるため、他の歯が移動したり伸びたりするのを防ぐことができます。

傷口を保護し治癒を促進する

仮歯や仮の入れ歯は、傷口を保護する役割も果たします。

外科手術を行った後は、口腔内はとてもデリケートな状態となっています。

そのため、少しの刺激で出血したり、炎症を起こしたりすることがあるので、危険ですし、インプラント治療が遅れる原因にもなるでしょう。

しかし、仮歯や仮入れ歯で傷口を覆えば、傷口を保護して治癒を促進することが可能です。

インプラント治療で歯がない期間に注意すること

インプラント治療で歯がない期間に注意すること

トラブルなくインプラント治療を終えるには、歯がない期間中の過ごし方も重要です。

ここでは、仮歯や仮入れ歯を使用しているときに注意すべきポイントを説明していきます。

仮歯に強い力を加えないようにする

仮歯や仮入れ歯に強い力を加えないよう注意する必要があります。

仮歯や仮入れ歯はあくまで仮のもので、耐久性や強度があまり高くありません。

そのため、仮歯や仮入れ歯に強い力が加わると、破損の原因となり、修理や作り直しが必要になるほか、口腔内を傷つける恐れがあるのです。

ですから、歯ブラシや歯間ブラシなどを使用する場合にも優しく丁寧に行うのを心がけましょう。

硬いものを食べるのをなるべく控える

インプラント治療中の食事にも注意が必要です。

硬い食べ物は仮歯を破損させる原因となりますし、治癒期間であるにもかかわらず、治療部位にダメージを与えてしまう恐れがあります。

そのため、歯がない期間中は、スープやヨーグルト、ピューレ状のものなど、なるべくやわらかい食事にするのを心掛けるようにしましょう。

仮歯の周囲の汚れに注意する

歯がない期間の仮歯や仮入れ歯の使用中は、周囲に汚れを溜めないよう注意しましょう。

もし、仮歯の周囲に食べカスや歯垢などの汚れが蓄積されてしまうと、口腔内環境が悪化して感染症リスクが高まり、治療に悪影響を与えます。

そのため、仮歯の周りを丁寧にブラッシングするのはもちろん、歯間ブラシやフロスを使ったり、口腔洗浄液でうがいをしたりするなど、口腔内を清潔に保つように意識して過ごしてください。

まとめ

まとめ

インプラント治療中には、インプラント体と骨の結合を待つ、歯茎の治癒を待つなどの理由から、歯がない期間が存在します。

歯がない期間は、仮歯や入れ歯を用いて過ごすのが一般的ですが、トラブルなくインプラント治療を終えるためには、どのような点に注意すべきか把握しておくと安心です。

インプラント治療はブリッジ治療や入れ歯治療と比べて治療期間が長くなりがちで、口腔内トラブルが発生すると、それだけ治療期間も伸びてしまうので、仮歯装着期間は特に気をつけてください。

この記事を参考に、担当医の説明も聞きながら、術前・術後のケアも徹底してインプラント治療を成功させましょう。

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