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インプラントはどれくらい痛い?痛みの原因や予防法を解説

インプラントはどれくらい痛い?痛みの原因や予防法を解説

インプラント治療を検討している方で、術中や術後の「痛み」を心配される方は多いでしょう。

結論として、インプラント埋入を行う際は、麻酔を投与するため、基本的には痛みを感じませんが、麻酔が切れた後や術後の過ごし方、ケアの仕方によっては痛みを強く感じる場合があるので注意が必要です。

本記事では、インプラント治療における痛みの原因や予防法について解説します。

インプラント治療による痛みの原因を把握し、早めに適切な対処をすれば、痛みを未然に防ぐことにも繋がりますので、ぜひこの記事を参考にインプラント治療についての理解を深めていただけたら幸いです。

インプラント治療とは

インプラント治療とは

そもそもインプラント治療とは、虫歯や歯周病などによって歯を失った場合に、金属製の人工歯根を埋め込み、人工歯を装着する治療法です。

インプラント治療は歯があったときの状態に回復することを目的としており、入れ歯やブリッジといった他の治療法に比べ、審美性に優れ、咀嚼力が高く、他の歯に負担をかけずに歯を再建できるといったメリットがあります。

歯を失っても、インプラント治療によって見た目も良くなり、しっかり噛めるようになるのです。

インプラントの仕組みと治療法

インプラントは、以下3つのパーツで構成されています。

  • インプラント体(人工歯根)
  • 被せ物(人工歯/上部構造)
  • アバットメント

まず歯がなくなった部分の歯茎にインプラント体(人工歯根)を埋め込み、歯の土台となるアバットメントを装着します。

その上に被せ物(人工歯/上部構造)を被せることで、歯の機能と見た目を補う仕組みです。

インプラントと他の治療法との違い

失った歯を補う治療法としてはインプラント治療のほかに、ブリッジ治療や入れ歯治療があります。

インプラントは他の治療法に比べて治療費が高額になりますが、他の歯と変わらない見た目と噛み心地を手に入れられるという点がメリットです。

インプラントとブリッジ、入れ歯それぞれの違いを以下にまとめました。

入れ歯 ブリッジ インプラント
違和感 感じやすい ほとんどない なし
審美性 部分入れ歯は留め具が見える

総入れ歯はズレたり外れたりする

素材によって異なる 良い
他の歯への影響 部分入れ歯は支えている歯に負担がかかる 両隣の歯を削る なし
噛む力 噛む力が劣る 噛みにくいことがある 天然歯と変わらない
保険適用 あり あり なし

インプラント治療が向いている人は以下の通りです。

  • 健康な歯を削りたくない人
  • 入れ歯やブリッジが合わなかった人
  • 入れ歯をつけたり外したりしたくない人
  • 歯の見た目を気にする人
  • しっかりとものを噛みたい人

ただし、場合によってはインプラント治療を行えないケースもあるため、歯科医師に相談して治療が可能か判断してもらいましょう。

インプラント治療は痛い?

インプラント治療は痛い?

インプラントは外科手術を伴う治療であるため、痛みを不安に感じる人は多いかと思います。

ここでは、インプラント治療中、治療後の痛みについて詳しく説明していきます。

治療中の痛みはほとんどない

インプラント治療では、一般的にインプラントを埋入する場所に局所麻酔を使用するため、麻酔が効いている間は痛みはほとんどありません。

ただし、以下のような場合に痛みを感じることがあります。

  • 緊張によって「痛い」と感じる
  • 痛みに弱い場合
  • 注射の痛み
  • 麻酔が切れたときの痛み

手術は、麻酔が切れて痛みが出ないよう、必要に応じて麻酔を追加して進めますが、麻酔の効き方や麻酔の持続時間には個人差があるため、手術中に痛みを感じるケースもあります。

また、局所麻酔は全身麻酔と違い、骨を削る振動や音などが聞こえ、その恐怖心から痛みを感じる場合がありますが、痛みへの不安が強い方は、手術中に鎮静薬を点滴して眠ったような状態で手術を受けられる静脈内鎮静法を検討してみると良いでしょう。

インプラント治療後に痛みを感じるケース

インプラント治療では、術後数日間、痛みが生じる場合がありますが、処方される痛み止めで抑えられる程度の痛みであるケースが多いです。

この痛みも、数日〜数週間程度でおさまるでしょう。

ただし、以下のケースで治療後に痛みを感じる場合があります。

  • 麻酔が切れた後に感じる痛み
  • 抜糸によって感じる痛み
  • 骨造成による痛み

それぞれ見ていきましょう。

麻酔が切れた後に感じる痛み

インプラント治療を終えて麻酔が切れると、2、3日間をピークに10日程度は痛みや腫れが生じ、まれに出血する可能性があります。

特に、埋め込むインプラントの本数が多いと腫れやすくなるのです。

状況によっては痛みや腫れが2〜3週間続くこともありますが、これは一時的なもので、自然とおさまります。

万が一、患部の腫れや痛みが長引いてしまっている場合は、施術後の経過が良好ではない可能性もあるので、医師に相談してみるのがおすすめです。

抜糸によって感じる痛み

インプラント埋入後は感染から守るために縫合しますが、インプラントが骨と完全に結合したタイミングで、抜糸を行います。

人によっては、抜糸の際に「チクチク」といった痛みを感じることがあります。

痛みの感じ方は個人差があるため、痛みが苦手な方は医師に相談し、麻酔を処置してもらうのを検討してみましょう。

骨造成による痛み

インプラント治療において、歯周病などにより骨不足になってしまった場合に、骨を増やす治療である骨造成手術が必要になることがあります。

骨造成手術は事前に麻酔を使用するため、痛みはほとんどありませんが、術後2〜3日をピークに、10日程度痛みや腫れが生じやすいです。

骨造成の手術後は、細胞が活発になっている状態であり、その状態で傷口に負担がかかってしまうと、痛みや腫れが強く出る恐れもあるため、担当医の指示に従うようにしましょう。

インプラント治療から数年後に生じる痛みの原因とは

インプラント治療から数年後に生じる痛みの原因とは

インプラント治療では、術中、術後に痛みを感じなくても、治療を終えてから数年後に痛みが生じるケースもあります。

その場合は、口腔内で何らかのトラブルが起きている可能性が高いです。

痛みの主な原因には以下があります。

  • インプラント周囲炎
  • 噛み合わせが悪く負担がかかっている
  • アバットメントのネジの緩み
  • インプラントと骨の境目にヒビ
  • 隣接する歯のトラブル

ここでは、インプラント治療をしてから数年後に感じる痛みの主な原因をご紹介します。

インプラント周囲炎

インプラント周囲炎とは、インプラントを埋め込んだ部分の周囲組織で炎症が起こり、歯周病のような症状になることで、歯茎から出血したり膿が出たりして、痛みを感じる場合があります。

インプラント周囲炎の原因は歯の表面に付着した歯垢であり、インプラントも他の歯と同様、歯磨きなどでしっかりケアしておかなければ歯周病菌が増殖してしまうのです。

膿が出てインプラントがぐらついてくるとインプラントを歯茎が支えきれなくなってしまい、最悪の場合、せっかく埋め込んだインプラントを失ってしまう恐れがあります。

噛み合わせが悪く負担がかかっている

インプラント治療から数年が経過すると、インプラントを埋め込んだ部分と反対側の歯との噛み合わせのバランスが崩れ、インプラントに負担がかかってしまいます。

噛み合わせの変化は病気ではないものの、当初は自然だった噛み心地が、痛みや不快感に変化することもあるのです。

噛み合わせが悪いとインプラントと被せ物を繋ぐアバットメントにも負担がかかってしまうので、痛みを感じるだけでなく、インプラントや他のパーツの破損の原因にもなります。

アバットメントのネジの緩み

アバットメントはインプラント体と被せ物をつなぐ役割を果たしており、通常はネジで固定されています。

しかし、このネジは経年劣化により緩んでしまい、ぐらつきや痛みが生じる場合もあるのです。

また、アバットメントのネジの緩みはインプラントの破損の原因にもなるため、注意しなければなりません。

インプラントと骨の境目にヒビ

インプラント体と、連結する骨との間にヒビが入り、それが原因となって痛みが生じる場合もあります。

インプラント治療から数年後にヒビが入る原因としては、歯ぎしりや強い噛み締めなどが考えられます。

インプラントと骨との境目にヒビが入ってしまうとインプラントが脱落したり、細菌感染を起こしてインプラント周囲炎を引き起こしたりする恐れがあるので、異常を感じた時点で検査を受けるのが望ましいです。

隣接する歯のトラブル

インプラント自体に問題はなくても、インプラントを埋め込んだ周囲の歯に虫歯や歯周病が生じて痛みが出る場合があります。

人工の歯であるインプラントは虫歯にならないため、ケアを怠ってしまいがちですが、インプラントに歯垢が蓄積すれば、周囲の歯の虫歯リスクが高まってしまうのです。

そのため、日頃からの適切なケアが重要になります。

インプラント治療で生じる痛みの予防法

インプラント治療で生じる痛みの予防法

インプラント治療によって生じる痛みの原因をご紹介しましたが、それを踏まえたうえで、痛みを生じさせないためにできる予防法は以下の通りです。

  • 喫煙や飲酒を控える
  • 日々のセルフケアを丁寧に行う
  • 歯科医院に定期検診に行く
  • 違和感があったら早めに診てもらう

結論として、口腔内を綺麗に保つことが痛み防止やインプラントを長持ちさせるのに役立ちますので、ぜひチェックしてください。

喫煙や飲酒を控える

インプラント治療で起こる痛みの原因の一つにインプラント周囲炎がありますが、タバコにはニコチンやタールなどの有害物質が含まれており、ニコチンの影響で血流が悪化して免疫力も低下し、細菌が増殖しやすいため、インプラント周囲炎になりやすくなるのです。

また、アルコールの過剰摂取は脱水症状を引き起こし、唾液の分泌量が減るとインプラント周囲炎にも繋がるため、注意しなければなりません。

インプラント治療前後はタバコや飲酒を控えるのはもちろん、治療後も禁煙を続けるのが無難です。

日々のセルフケアを丁寧に行う

インプラント治療後の歯を健康に保つためには歯磨きや歯間清掃などの毎日のセルフケアを欠かさないことが大切です。

セルフケアが不足すると口腔状態が不衛生になるだけなく、落としきれなかった歯垢の蓄積によって歯周病菌が増殖し、インプラント周囲炎が発生してしまうため、丁寧なブラッシングを徹底してリスクを軽減させましょう。

歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助清掃用具を併用すれば、磨き残しをさらに減らせます。

歯科医院に定期検診に行く

インプラントや周囲の歯の健康な状態を保つために、インプラント治療を終えてからの歯科医院の定期的なメンテナンスは欠かさず行うようにしましょう。

インプラント歯周炎をはじめとする病気や不具合は自分では気付きにくく、痛みを感じる段階には手遅れになるケースも多いです。

しかし、定期検診を行えばインプラントやその周辺に異常がないか、噛み合わせは問題ないかなどを細かくチェックしてもらえるため、異変に気付くことができます。

また、専用の器具を使って歯のクリーニングも行ってもらえるので、歯ブラシでなかなか落とすことができない歯石や着色汚れを取り除け、口腔内を清潔に保てるでしょう。

違和感があったら早めに診てもらう

インプラント治療で痛みや違和感を感じる場合、何らかのトラブルが起こっている恐れがあり、痛みを放置すると症状が悪化するほか、インプラントの寿命が短くなる可能性があります。

そのため、違和感があった段階で早めに担当医に相談するのがおすすめです。

早めに対処すれば手遅れにならずに済む可能性が高いので、気になったらすぐに診てもらいましょう。

まとめ

まとめ

インプラント治療中は局所麻酔を使うため、痛みを感じにくいですが、治療の数日後や数年後に痛みが生じることもあります。

また、インプラントやその周囲でトラブルが生じると、治療から数年経ってから痛みが生じる場合もあるので注意が必要です。

口腔内トラブルは早期発見・早期治療が肝心であり、痛みを感じていなくても日常的なセルフケアや定期的なメンテナンスを欠かさないようにしましょう。

また、少しでも違和感や痛みを感じる場合は、早めに歯科医院に相談してみてください。

インプラント治療を検討中の方も、インプラントの寿命を長く保つためにも、ぜひこの記事を参考に、治療を進めていただけたらと思います。

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