ブログ
インプラント手術後はなぜコーヒーNG?回復のための食事や生活習慣とは
インプラントの手術をした後は、いつも通りの食事をするわけにはいきません。
口の中は傷ついている状態のため、まずは回復に努めなければいけないからです。
コーヒーやアルコールがNGといわれていますが、なぜインプラントの手術の後にコーヒーやアルコールが制限されるのかご存じですか?
手術後の過ごし方は、快適なインプラント生活だけでなく、インプラントの寿命にも影響します。
できるだけ早く傷口を回復させ、通常の生活に戻れるよう、注意点をしっかりと頭に入れておきましょう。
インプラント手術後にコーヒーは要注意
コーヒーが好きで毎日飲むという方も少なくないでしょうが、インプラント手術の後のコーヒーはおすすめできません。
なぜコーヒーが良くないのかという理由について、お伝えします。
- カフェインが含まれているから
- コーヒーで歯が変色する?
カフェインが含まれているから
インプラントの手術後にコーヒーが良くないと言われる理由は、カフェインが含まれているからです。
カフェインには血管収縮作用がありますので、摂取しすぎると患部から出血するかもしれません。
「出血しなければ大丈夫」というわけではなく、傷口の治りを遅くしている可能性もあります。
インプラントの手術当日はもちろん、数日はコーヒーは控えるようにした方がいいでしょう。
コーヒーで歯が変色する?
インプラント手術後にコーヒーを控えるように注意されるのは、変色が理由だと考える方がいるかもしれません。
コーヒーに含まれるステインという成分で、天然歯が変色したという経験がある方も少なくないでしょう。
インプラントの人工歯がステインで変色する心配はありません。
インプラント治療で用いられる人工歯の素材は、セラミックが用いられているからです。
ただしプラスチックが含まれていると、コーヒーで変色する可能性があります。
変色が気になる場合は人工歯の素材を確認し、プラスチックが含まれているかチェックしてみましょう。
インプラント手術後に注意する食べ物
インプラントの手術では、顎にメスを入れて外科手術を行います。
そのため手術後は通常通りの食事ができません。
特に注意すべき食べ物について、ご紹介します。
- お酒
- 刺激物
- 硬い食べ物
- 熱すぎる・冷たすぎる物
お酒
インプラントに限らず手術を行う際には、手術前後が飲酒禁止となります。
アルコールを摂取すると血行が促進されるため、小さな傷口であっても出血してしまうかもしれません。
またアルコールは傷口を刺激するため、痛みを感じる可能性があります。
傷口の出血を防ぐだけでなく、治りを良くするためにもアルコールは控えるべきです。
「手術後に落ち着いて1杯」といきたいところですが、医師からの許可がでるまで我慢しましょう。
刺激物
香辛料や辛い食べ物は刺激物となり、傷口への刺激が強くなるのでおすすめできません。
例えば、わさびや唐辛子、激辛料理などです。
傷口の炎症や腫れ、また出血の原因となる可能性があります。
香辛料には抗酸化物質や抗炎症作用が含まれているため「手術後に良さそう」と思うかもしれません。
辛いものだけでなく、炭酸飲料や酸っぱい食べ物も同様に刺激物となり、控えるべきなので覚えておきましょう。
食べたい場合は手術から時間が経ってからにしましょう。
硬い食べ物
インプラントの手術が終わってから、顎の骨とインプラント体が結合するまでには時間が必要です。
手術直後は安定性が低いため、硬い食べ物を食べるとインプラントがズレてしまう可能性があります。
例えば、おせんべいやナッツ類、スルメなどが当てはまりますので、注意しましょう。
硬い食べ物でなくても、できるだけ患部を避けて食べ物を噛むように心がけておきます。
インプラントが結合するまでに要する時間の目安は、3ヶ月~6ヶ月です。
焦らずに食べ物を工夫していきましょう。
熱すぎる・冷たすぎる物
インプラントの手術直後は、傷口に刺激を与えないようにします。
そのため熱すぎる物や冷たすぎる物には、注意しましょう。
味噌汁やスープは柔らかいものなのでインプラントの手術直後に向いている食べ物ですが、冷ましてから食べるようにしてください。
冷たすぎる飲み物は、常温で近い状態で摂取するようにしましょう。
インプラント手術後の生活
インプラントの手術後は、食べ物だけでなく日常生活においても留意すべき点があります。
術後の経過を良くするためにも、以下の点に注意しましょう。
- 激しい運動は控える
- 入浴は控えてシャワーに
- タバコをやめる
- うがいや歯磨き
- 睡眠をたっぷりとる
- 口腔内に負担がかからないように
- 水分補給を意識する
激しい運動は控える
インプラントの手術を受けたら、激しい運動は控えて安静に過ごします。
運動をすると体内の血行が良くなりますので、傷口を刺激してしまうかもしれません。
アルコールと同様に、傷口からの出血や傷口の治りが遅くなるという懸念があります。
インプラントの手術後1週間くらいは、ジョギングやウォーキングといった軽い運動も控えて過ごします。
ちょっとした家事やデスクワークであれば、行っても構いません。
ただしストレスがかかるほどの活動は控え、体調を整えながら行える活動の範囲にとどめておくといいでしょう。
入浴は控えてシャワーに
入浴も血行を促進しますので、シャワーで済ませるようにしましょう。
冬場は寒いので入浴したくなるかもしれませんが、手術後2~3日はシャワーが望ましいです。
タバコをやめる
喫煙は百害あって一利なしです。
タバコに含まれるニコチンやタールなどの物質によって、回復に時間がかかってしまうかもしれません。
血管を収縮させる働きがあるため、傷の治りが遅くなります。
血行が悪くなると、インプラントが顎に定着しにくくなるというリスクがあります。
さらにタバコは免疫力の働きをする白血球の活動を抑えるので、インプラント周囲炎になりやすくなるという理由もあります。
せっかくインプラントの手術をしても、タバコによってインプラントの寿命を短くさせてしまいます。
手術後だけに限らず、タバコは一切やめるようにしましょう。
うがいや歯磨き
インプラントの手術後は口腔環境を清潔に保たなければいけませんので、オーラルケアも意識します。
手術後は特に傷口が塞がっていませんので、感染リスクが高い状態です。
「いつもよりも綺麗にしたいから」といって、強く磨けばいいというわけではありません。
インプラントの手術当日は、歯磨きやうがいは避けます。
翌日からは歯磨き可能ですが、患部を傷つけないように柔らかいブラシで優しく磨くようにしましょう。
人工歯が装着されてからは、インプラントの寿命を長くするためにも丁寧に毎日ケアをしていきましょう。
睡眠をたっぷりとる
手術や傷口回復のためには、体力が必要です。
安静にしている生活だと物足りなく感じるかもしれませんが、しっかりと睡眠をとって体力回復に務めなくてはいけません。
睡眠中に口呼吸になってしまう場合は、乾燥して細菌が増殖する可能性がありますので、テープを貼るなどして口が開いてしまわないよう対策しましょう。
歯磨きなどのケアをしたら、夜は早めに就寝し、リラックスできる状態で過ごしましょう。
口腔内に負担がかからないように
歯磨きやうがいに注意したり、食べ物は刺激物を避けたりと、口腔内に負担がかからないように気を付けていかなければいけません。
口の中を気にするあまり、飲み物を飲む時にストローを使う患者さまがいますが、実はストローは口に負担がかかっています。
吸引の動作が患部に負担をかけますので、水分補給をする際はコップからゆっくり飲むようにしてください。
水分補給を意識する
睡眠中だけでなく、日中も口腔内が乾燥しないように注意しましょう。
口腔内が乾燥すると、ドライマウスとなり細菌が繁殖しやすい状態になります。
たくさんの量を飲むというよりも、こまめな水分補給で口が乾燥しないようにします。
コーヒーやアルコール、炭酸飲料ではなく、水やお茶が望ましいです。
インプラント手術後のおすすめの食べ物
インプラントの手術後は食べ物の制限があり、ちょっと残念な気持ちになってしまうかもしれません。
しかし食べられる物もありますので、傷口の回復を第一に考えながら、食事を楽しんでいきましょう。
インプラントの手術の後に、食事面で意識したい事柄についてお伝えします。
- 柔らかく噛みやすい物
- 栄養が豊富な物
柔らかく噛みやすい物
インプラントの手術後は、硬く刺激が強い食べ物は控えた方がいいので、柔らかく噛みやすい食べ物を選びましょう。
- おかゆ
- うどん
- ゼリー
- 煮込んだ野菜スープ
- ヨーグルト
- 茶碗蒸し
このような食べ物が、口腔内への負担が少なくおすすめです。
選択肢がないと食事の楽しみが感じられないかもしれませんが、「ゼリーの中でも好きな味を選ぶ」「おかゆやうどんは味付けを変えて楽しむ」というように、工夫しながら献立を考えていきましょう。
栄養が豊富な物
インプラントの手術後は、傷口の回復を早めるための栄養を意識してみましょう。
骨の回復と再生のためには、カルシウムやマグネシウムなどミネラルが豊富な食事がおすすめです。
カルシウムの吸収を良くするために、ビタミンDも欠かせません。
カルシウムは乳製品や豆類、マグネシウムは海藻や貝類に豊富に含まれています。
傷口の治癒には、ビタミンや亜鉛を意識するといいでしょう。
亜鉛はチョコレートやナッツ類にも含まれていますので、間食にも向いています。
しっかり栄養を摂取して、食べた後は口腔内を清潔に維持していきましょう。
インプラントに関するよくある質問
インプラントの治療や手術に関する、よくある質問をまとめました。
- インプラント手術後の通常食はいつからですか?
- インプラントの手術前のコーヒーの制限はありますか?
- インプラントの手術後は痛いですか?
インプラント手術後の通常食はいつからですか?
インプラントの手術後のおおよそ1ヶ月は、上記のような食事をしていきます。
手術後1週間程度はお酒を控え、1ヶ月経つと通常の食事に戻せるようになっていきます。
その後も患部で噛まないように注意しながら、医師と経過を診ていきます。
インプラントで楽しく食事をしていくために、手術後1ヶ月はこれらの注意点を守りましょう。
インプラントの手術前のコーヒーの制限はありますか?
手術中はトイレにいけなくなるので、コーヒーや紅茶などの利尿作用のある飲み物は控えた方がいいでしょう。
当日まで制限は特にないので、手術時間に合わせて医師に確認してください。
食事は前日まで通常通りの物が摂取できますが、前日はアルコールは控えるようにして、体力温存のため早めに就寝するようにしましょう。
インプラントの手術後は痛いですか?
一般的にインプラントの手術後に、麻酔が切れた後に最も痛みを感じます。
痛み止めを使用しながら様子をみていきますが、2~3日、長くても1週間程度で痛みが治まっていきます。
手術中は麻酔を使用していますので、痛みを感じる心配はありません。
まとめ
インプラントの手術をした後は、食事や日常生活に制限があります。
口腔内に刺激を与えないように柔らかい物を選んで食事をし、医師の指導のもと丁寧に口腔内のケアをしていきます。
インプラントの手術の後は大変かもしれませんが、この手術後1ヶ月がインプラント治療にとって最も重要な時期であるといっても過言ではありません。
インプラントの寿命をできるだけ長くするためにも、手術後1ヶ月は治療に専念し、丁寧に向き合っていきましょう。