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口が開けにくいときの直し方は?やってはいけないことや歯科医院での治療方法も解説
「口が開けにくい」と感じる症状は、顎関節やその周囲の筋肉に負担がかかっているサインかもしれません。
この症状が起こる原因としては、顎関節症や歯ぎしり・食いしばり、ストレス、噛み合わせのズレなどさまざまなものが考えられます。
軽度であれば自宅でのケアで改善することもありますが、放置すると痛みが強くなったり、食事や会話がしづらくなったりすることもあるため注意が必要です。
この記事では、口が開けにくいときの直し方について詳しく解説します。
口が開けにくいときにやってはいけないことや、歯科医院での治療方法などもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
口が開けにくいときに考えられる原因
口が開けにくいときに考えられる原因として、以下の3つが挙げられます。
- 顎関節症
- 歯ぎしり・食いしばり
- 精神的ストレス
- 歯並び・噛み合わせ
- 顎関節への過度な負担
ここでは上記5つの原因についてそれぞれ解説します。
顎関節症
口が開けにくいときに考えられる原因の一つとして、顎関節症が挙げられます。
顎関節は耳の前にある小さな関節で、食事や会話などで日常的に使われる大切な部位です。
この関節が炎症を起こしたり、関節の中でクッションの役割を果たす関節円板がずれたりすると、顎を動かす際に痛みや引っかかりが生じます。
症状が進むと「カクカク」「コキコキ」と音が鳴ったり、口をスムーズに開閉できなくなったりすることもあります。
歯ぎしりや噛み合わせのズレ、頬杖・うつぶせ寝、片側の顎で噛む癖などが主な原因で、放置すると慢性化する場合があるため注意が必要です。
症状に気づいた段階ですぐに歯科や口腔外科で診てもらうことで、悪化を防げます。
歯ぎしり・食いしばり
無意識のうちに歯を強く噛みしめたり、寝ている間に歯ぎしりをしたりする習慣があると、顎の筋肉や関節に大きな負担がかかります。
特に就寝中は力の加減ができないため、長時間にわたって顎関節が圧迫されやすく、朝起きたときに顎がだるい、開けにくいと感じることがあります。
また歯のすり減りや欠け、肩こりや頭痛の原因になることもあるため注意が必要です。
精神的ストレス
強い緊張や不安を感じると、無意識のうちに歯を食いしばったり、顎の筋肉に力が入り続けたりすることがあります。
この状態が長引くと顎まわりの筋肉が常に緊張し、口を開けるときに痛みを感じたり、スムーズに口を開閉しにくくなったりすることがあるのです。
さらにストレスは自律神経のバランスを乱し、血流の悪化や全身の筋肉の緊張を引き起こすこともあります。
歯並び・噛み合わせ
歯並びや噛み合わせが悪いと、顎関節にかかる力のバランスが崩れやすくなります。
特に片側の歯だけで噛む癖がある場合、顎の関節や筋肉に偏った負担がかかり、痛みや開口障害の原因になります。
また詰め物や被せ物が高すぎたり、失った歯を長期間放置していたりする場合も、噛み合わせのズレが生じやすくなるため注意が必要です。
こうした状態が続くと顎関節や咀嚼筋に慢性的な負担がかかり、顎関節症を引き起こす恐れもあります。
顎関節への過度な負担
日常生活の中で顎に強い力が加わる動作を繰り返すと、顎関節に負担が蓄積します。
顎関節に過度な負担がかかる習慣は以下の通りです。
- 歯ぎしり・食いしばり
- 頬杖
- うつぶせ寝
- 不良姿勢(猫背など)
- 大きく口を開ける
- 硬いものを噛む
- 左右どちらか一方で噛む
このような負担が続くと顎関節の炎症や筋肉の緊張を招き、口が開けにくくなることがあります。
口が開けにくいときの直し方
口が開けにくいと感じたときは、まず原因に応じた適切なケアを行うことが大切です。
軽度の症状であれば、自宅でできるケアで改善が期待できます。
具体的な方法は以下の通りです。
- 温熱療法で筋肉の緊張をほぐす
- 顎のストレッチを行う
- マウスピースを活用する
- 痛みがある場合は市販薬を使用する
ここでは上記4つの方法についてそれぞれ解説します。
温熱療法で筋肉の緊張をほぐす
顎の筋肉がこわばっていると関節の動きが悪くなり口を開けづらくなるため、温熱療法で筋肉の緊張をほぐしましょう。
蒸しタオルを使う方法が手軽でおすすめです。
タオルをお湯で濡らし軽く絞ってから、耳の前から頬にかけて10分ほど温めます。
1日に3回程度行うと、血流がよくなり筋肉の緊張がほぐれやすくなります。
使い捨てカイロや温熱パックを使う場合は、直接肌に当てずタオル越しに温めてください。
就寝中の使用は低温やけどの原因になるため避けましょう。
炎症があるときや腫れを伴う場合は逆効果になる可能性があるため、症状に合わせて試してみてください。
顎のストレッチを行う
温めて筋肉がほぐれたら、ゆっくりと顎のストレッチを行うのがおすすめです。
- まず鏡を見ながら、顎が左右にずれないようにゆっくり口を開ける
- 痛みの出ない範囲で5秒ほどキープし、ゆっくり閉じる動作を繰り返す
さらに、顎を前方や左右に軽く動かすストレッチも重要です。
- 口を開けた状態で下顎を前に突き出し15秒キープする
- その後に二重顎を作るように引っ込めて15秒キープする
- 同じようにして顎を左右に動かすストレッチも各15秒ずつ行う
- 1日3セットを目安に続ける
ストレッチを続けることで顎関節周囲の柔軟性が高まり、スムーズに開閉できるようになります。
ただし、強く引っ張るような動作や、痛みを我慢して行うのは禁物です。
痛みや違和感が強い場合は中止して、医療機関を受診しましょう。
マウスピースを活用する
歯ぎしりや食いしばりが原因で口が開けにくい場合は、マウスピースを活用しましょう。
マウスピースには市販の既製品と、歯科医院で作るオーダーメイドのタイプがあります。
短期間の使用なら市販品でも問題ありませんが、長期的なケアを考えるなら歯科医院で専用マウスピースを作製しましょう。
歯科医院で作る専用のマウスピースは一人ひとりの歯列に合わせて作製されるため、顎関節や筋肉にかかる負担を軽減できます。
夜間の装着が基本で、睡眠中に無意識にかかる顎関節への負担を和らげる効果が期待できます。
また、運動中の食いしばりが強い方は、スポーツマウスピースの使用も有効です。
マウスピースは定期的に洗浄・消毒を行い、定期的に歯科医院でチェックを受けるとよいでしょう。
痛みがある場合は市販薬を使用する
顎を動かすたびに痛みを感じる場合は、無理をせず市販の鎮痛薬を使用して痛みを抑えるのも一つの方法です。
一般的には、ロキソプロフェンやイブプロフェン、アセトアミノフェンなどの消炎鎮痛剤が使われます。
これらは炎症を抑え、顎関節や筋肉の痛みを和らげてくれる薬です。
ただし薬はあくまで一時的な対処法であり、根本的な改善にはつながりません。
用法・用量を守り、長期間の連続使用は避けましょう。
症状が数日経っても良くならない場合や痛みが増す場合は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
口が開けにくいときにやってはいけないこと
口が開けにくいときにやってはいけないこととして、以下の4つが挙げられます。
- 大きく口を開ける
- 片側だけで噛む
- 硬い食べ物を食べる
- 顎に負担をかける姿勢をとる
ここでは上記4つについてそれぞれ解説します。
大きく口を開ける
口が開けにくいときは、無理に大きく口を開けないようにしましょう。
無理に大きく口を開けると、症状がさらに悪化してしまう恐れがあります。
特にあくびや歯磨き、歯科治療中などで口を大きく開ける動作には注意が必要です。
もしどうしても開けなければならない場面では、少しずつゆっくりと動かし、痛みが出た時点で止めましょう。
食事をする際も大きな一口で噛もうとせず、小さく切ってゆっくり食べることが大切です。
片側だけで噛む
片側だけで噛む癖は、片側の顎関節や筋肉に負担がかかります。
左右の筋肉や関節のバランスが崩れることで、片側の関節に過剰な力がかかり、痛みや違和感が出やすくなるのです。
長期間続けると顎の位置が歪み、噛み合わせのズレや顔の左右差が目立つようになることもあります。
そのため、できるだけ両側の歯を均等に使って食べるよう意識することが大切です。
もし虫歯や歯の痛みなどが原因で片側でしか噛めない場合は、早めに歯科医院で治療を受けましょう。
硬い食べ物を食べる
口が開けにくい状態のときに硬い食べ物を食べるのは控えましょう。
硬い食べ物は噛むときに強い力が必要になり、顎関節や咀嚼筋に大きな負担がかかります。
特にガム、スルメ、フランスパン、ステーキなどは顎に負担がかかりやすい食べ物です。
このような硬い食べ物を食べると、噛むたびに関節や筋肉に刺激が加わり、炎症が悪化して痛みが強くなることがあります。
症状がある間はおかゆやうどん、煮魚、豆腐、ヨーグルトなど、弱い力で噛める食べ物を選ぶとよいでしょう。
顎に負担をかける姿勢をとる
口が開けにくいときは、顎に負担をかける姿勢はなるべく避けましょう。
例えばうつぶせ寝や頬杖などは、顎関節に大きな負担をかけます。
特に頬杖は片側の顎を押し上げる形になり、関節が横にずれてしまう原因となるため注意しましょう。
口が開けにくいときは何科を受診すればいい?
口が開けにくい場合は、まず歯科または口腔外科を受診しましょう。
このような症状は顎関節症や歯ぎしり、噛み合わせの問題など、口の中や顎関節周囲の組織が原因となっていることが多いため、歯科医師による診察が必要になります。
歯科医院では顎関節や筋肉の状態を触診したり、レントゲンやCTで関節の動きを確認したりすることで、原因を正確に診断します。
特に痛みが強い、口がほとんど開かない、カクカクと音が鳴るといった症状がある場合は、口腔外科を併設している歯科医院を選ぶと安心です。
口腔外科では外科的な処置が必要なケースにも対応できるため、より専門的な治療が受けられます。
口が開けにくい症状が改善しない場合の歯科医院での治療方法
自宅での温熱療法やストレッチなどを行っても口が開けにくい状態が続く場合は、歯科医院での専門的な治療が必要です。
歯科医院で行われる主な治療方法として、以下が挙げられます。
- 物理療法
- 薬物療法
- スプリント療法
- 外科療法
- 矯正治療・噛み合わせ治療
- 生活習慣の改善
ここでは上記の治療方法についてそれぞれ解説します。
物理療法
物理療法は、顎関節や筋肉の緊張を和らげ、痛みを軽減するための治療方法です。
主な治療方法として、温熱療法や低周波治療、マニピュレーションなどが挙げられます。
| 温熱療法 | 顎まわりを温めて血流を促進し、筋肉のこわばりをほぐす治療方法 |
|---|---|
| 低周波治療 | 微弱な電流を筋肉に流してマッサージ効果を与え、老廃物の排出を促すことで筋肉の緊張を緩和する治療方法 |
| マニピュレーション | 歯科医師の手指によって顎関節の可動域を改善する治療方法 |
上記のような方法で顎関節周囲の筋肉の緊張をほぐすことで、顎関節の痛みを和らげたり可動域を改善したりする効果が期待できます。
薬物療法
薬物療法は、痛みや炎症が強い場合に行われる治療方法です。
主に使われる治療薬の種類として、消炎鎮痛薬と筋弛緩剤が挙げられます。
| 消炎鎮痛薬 | 顎関節の炎症を抑え、痛みを軽減する薬 |
|---|---|
| 筋弛緩剤 | 咀嚼筋の痛みを取り除き、筋肉の緊張をほぐす薬 |
症状がストレスによって悪化している場合には、必要に応じて精神的な緊張を和らげる薬を併用することもあります。
ただし薬物療法は根本的な原因を治すものではなく、一時的な対処の役割が大きいため、物理療法やスプリント療法と組み合わせて行うのが一般的です。
スプリント療法
スプリント療法とは、マウスピース型の装置を歯に装着し、顎関節や筋肉にかかる負担を減らす治療方法です。
歯ぎしりや食いしばりが原因で顎関節に負担がかかっている人に特に有効です。
スプリントを装着することで上下の歯の接触を防ぎ、関節や筋肉がリラックスした状態を保てます。
通常は夜間に装着するだけで十分効果がありますが、日中も強く食いしばる癖がある場合は、昼間の装着を勧められることもあります。
歯科医院で個人の歯型に合わせて作るため、市販のものよりも適合性が高く、違和感も少ないのが特徴です。
外科療法
物理療法や薬物療法などを行っても症状が改善しない場合、外科的治療が検討されます。
代表的な外科療法として、『関節腔洗浄療法』が挙げられます。
生理食塩水を関節内に注入し、炎症を引き起こす物質を洗い流す治療方法です。
これにより関節の動きが改善し、痛みが軽減されます。
矯正治療・噛み合わせ治療
歯並びや噛み合わせのズレが原因で顎関節に負担がかかっている場合は、矯正治療や被せ物の調整などで改善を図ります。
矯正治療で歯列を整えることで咀嚼時のバランスが均等になり、顎関節の負担が軽減されます。
また、詰め物やブリッジなどの高さが合っていない場合も、歯科医院での調整により噛み合わせの改善が可能です。
生活習慣の改善
歯科医院での治療と並行して、生活習慣を改善することも大切です。
頬杖をつく、うつ伏せで寝る、片側だけで噛むといった行動は顎関節に負担がかかるため避けましょう。
また、ストレスがたまると無意識に食いしばりや歯ぎしりをしてしまうことがあるため、リラックスできる時間をとることも大切です。
具体的に日常生活でどんなことに注意すればいいかわからない場合は、歯科医院でアドバイスを求めるといいでしょう。
まとめ
口が開けにくい症状は、顎関節や筋肉の一時的なこわばりから起こることもあれば、噛み合わせや生活習慣などの慢性的な問題が関係している場合もあります。
温熱療法やストレッチ、マウスピースの活用などで症状の緩和が期待できますが、改善が見られない場合は歯科や口腔外科での治療を受けましょう。
原因に合った治療を行い、生活習慣も見直すことで、再発を防ぎながら快適に顎を動かせるようになります。
さくら歯科クリニックMOBARAは、口元まわりを総合的に見る歯科治療を行っています。
顎関節症の治療も可能なため、口が開けにくくて悩んでいる方はぜひ当院までご相談ください。
